「門地による差別」と「女性差別」という二重の差別

皇統問題について、男系男子絶対をとなえる人たちが少なからず存在する。 

ほとんどの国民は愛子さまが皇位継承することに賛成であることは新聞各社のアンケート結果でも確認することができるが、1割程度、男子での継承をかたくなに主張する方々がいる。

男系男子絶対をとなえるのはよいが、問題なのは悠仁様お一人しか継承できる皇族がいなくなる可能性が高く、しかも悠仁様がご結婚されたとして男子が産まれなければそこで皇統断絶する可能性がかなりの確率で起こり得ることだ。

男系男子絶対論者は、であれば旧皇族系の男系男子の皇籍取得をさせればよいではないかと言うのだがそれは無理があるのだ。

憲法で門地による差別は禁止されている

旧皇族系の男系男子というのはどういう人なのか?

なにか特別な人のような響きはあるが、一般国民男性なのだ。

一般国民の男性を旧皇族の血筋だからという理由で、ある日突然、皇籍を与えて皇室に入ってもらうとしたらそれは憲法14条の門地による差別の禁止に抵触する。

よって男系男子絶対派がとなえる旧皇族系の誰かを連れてきて皇族にしてしまえばよいという提案はアウト、実現が困難というかできないのだ。

それに、大多数の国民にとってどこの誰だかわからない男性を連れてきてこの方は今日から皇族ですと言われても困惑するだけだ。

昨日まで一般国民だった男性が正月の一般参賀に長和殿のベランダに現れて手を振っていたとして「こいつ誰やねん?」となるでしょ。国民の理解が得られないのが目に見えている。

男性しか皇位継承できないことは女性差別以外の何ものでもない

もう一点ふれておかなければならないのは皇位継承が男系の男子しかできないという現在の皇室典範の問題点だ。

憲法には天皇は世襲によってなされることにふれていてこの世襲については門地の差別の例外にあたるとしている。つまり皇族から皇位継承者が選ばれることは門地の差別の例外となる。

現在、男子しか皇位継承が認められていないことによってこの世襲ができるかどうかわからない状態にまで追い込まれている。

その解決策として女性皇族も含めて継承できるように皇室典範を改正しようというのが女性女系天皇公認派の提案だ。

皇室典範は憲法の下位にあたるものであり、その下位にあたる皇室典範の改正で女性皇族にも継承権を持ってもらい、世襲を守ろうという考えだ。

悠仁様に加えて愛子さまおよび佳子様はじめ内親王と女王にあたる方にも皇位継承権がある状態にすればかなり皇位継承の行き詰まり感は解消される。

そもそもが男系男子で皇位継承しなければならないという決まり事は明治時代に定められたものでありそれまでは双系継承だったのだ。

明治の国民が持っていた男尊女卑の感覚が皇室典範に持ち込まれただけのものだと思っている。

男系男子絶対など行き着くところ、男尊女卑思想でしかないのだ。

男系男子絶対論者たちは、門地による差別に加えて、女性差別という二重の間違いを犯していることになる。

今回は神道学者、歴史学者、天皇・皇室研究者の高森明勅氏のブログなどを参考に書いてみた。

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