昨年末にニコニコ動画で放送されたよしりん(小林よしのり)と泉木蓮の「おどれら正気か?」の中で自分にとっては目から鱗の発言があった。
「もうすでにグローバリズムは古くなっていて、インターナショナリズムを重視するフェーズに入っている」
という発言をよしりんがしていたが言われてみれば最近「グローバリズム」という言葉を耳にする回数が以前よりも減った。
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すでにグローバリズムという考え方が時代遅れになってきている
グローバリズムとセットで新自由主義も猛威を振るった、今もその影響は続いているが。そんな中、アメリカファーストを唱えるアメリカのトランプ大統領が現れてアメリカが世界を代表するリベラルな国というイメージをくつがえしてしまう。
トランプは自国の自動車産業を守るためという大義で2017年末にTPP離脱を宣言した。正直TPPは日本側にもメリットがあるものだとは思えないのでこのニュースを聞いた時は、いいんじゃないのと思った。
イギリスではボリスジョンソン首相の時、2020年1月でEU離脱。このことは以前ブログ結局ボリスジョンソンが最先端を行っているにも書いた。資本主義が私欲に絡め取られた末に機能しなくなってきたのを見計らってEUを離脱した。しかし今までその恩恵を受けてきたのもイギリスだ。
役に立たなくなってきたら切り捨てる、その判断の早さが際立っている。
もうこの事例を見ただけでもグローバリズムという考え方自体が色褪せてきていることがわかる。
コロナ禍がグローバリズムをさらに減退させた
そしてコロナ禍で起きたことがグローバリズムという考え方の衰退を加速させてしまった。
それまで世界中の人がその場所にとらわれず自由に行き交い、商売もコミュニケーションも自由にできると思っていたのがコロナ禍になった途端に国境を超えて行き交うことはできなくなり、人々はお家に閉じこもってしまった。
そして世界中とつながっているという感覚がまったくなくなってしまった。
いざとなれば国境を閉鎖して人の流れを止めてでも感染拡大を防ぐことが重視されるということだ。他国の人間は入ってくるなというメッセージが出されていた。
世界中の人が国境というものを再認識したのではないだろうか。グローバリズムをいくら推し進めたところで国境がなくなることはない。
今回のコロナウイルスに関しては、ここまで厳格な水際対策が必要だったかというと、そうではないだろうと思っているが、今後エボラやペストなどのレベルの感染症が世界中に蔓延する兆しが見えたら、またすぐに国境は閉ざされるだろうし、本当にヤバい感検症が今後流行するようなことがあればそのように対応せざるを得ない。
ウクライナとロシアの戦争が国と国を遠ざける
グローバリズムというのは平和が前提で成り立つ甘い幻想の部分もかなり大きい。
2022年2月にロシアがウクライナへ侵攻する。
この侵攻はロシアのプーチンがウクライナという国をロシアに取り込みたいがために起こした侵略戦争であることは間違いない。
アメリカが操っているとか、プーチンの側もNATO勢力が迫ってきて止むなく侵攻したとかいろいろ言われているが今のところこの侵略戦争を正当化できる理由を俺は見つけることができない。
この事実自体もグローバリズムの概念を根底から否定しているようなものだ。
天然ガスがロシアから輸入できなくなったことによりエネルギー価格は高騰、電気料金が1.5倍〜2倍にに跳ね上がっているような状態だ。
レアメタルなどもロシアから入ってこなくなったことにより機器類も値上がり、木材も値上がりしている、様々なものが値上がりしてしまった。
ついこの間までグローバルに産業を分業して、その国ごとで得意な産業を特化してそれだけを生産して、足りないものを輸入すればよいということが言われていた。
しかし、切羽詰まった状況になればそれまで頼っていた輸入先の国の都合で製品や品物が入ってこなくなるということが今回現実に起きてしまっている。
グローバルな分業を推し進めてしまうと今回の戦争のような状態の時に必要な物が入ってこなくなり立ちいかなくなるリスクが高まる。
これを避けるには、国内でも様々な産業が国内で完結できるようにしておかなければならない。
農業もそうだ。食料を外国からの輸入に頼り過ぎるのは危険なのだ。
そして、インターナショナリズムという言葉が使われるようになってきている。それぞれの国の特徴を尊重して認め、一律のルールを押し付けずに協調していくという考え方に移行しつつある。
グローバリズムはもうすでに死んでいる、と言っても過言ではない状態かもしれない。
グローバリズムという言葉に世界中の人が違和感を感じ始めていて、その言葉を使わなくなってきているという事実、死語になりつつあるという現実に戦慄を覚える。
もともとグローバリズムなど胡散臭いと思っていたが、その終焉をこんなに早く目にすることになるとは思っていなかった。