ゴー宣道場「ドツボ2022」の議論を聞いて 〜1〜 人間の第6感について

12月4日に都内某所でゴー宣道場が開催された。テーマは「2022年はドツボだった、明日はどっちだ？」

ロシアがウクライナに侵攻して戦争が勃発、日本にも物価高騰などの影響を与え、中国は台湾侵攻を匂わせる軍事的な行動を強めてしまった、インフォデミックコロナ騒動は日本だけまだ収束せず、参議院選中に安倍晋三が銃撃されて死亡そして統一教会が国政の中枢に入り込んでいることが発覚、皇位継承問題は一歩も進まず日本も世界もメチャクチャなまま2022年が終わろうとしている。

議論は盛り上がりを見せた、交わらない価値観の人間がどうやって折り合いをつけてうまくやっていけばよいのか、考えさせられる場面もあった。

予定調和一切なし、宇野さんが捌いてなんとなくうまく着地、という感じだったが聞いている方としてはスリリングな場面があって面白かった。

ファクトがなくても第6感で感じ取ることができるか

印象に残った言葉やシーンについて書いておきたい。

よしりん（小林よしのり）がオウム真理教を誰よりも先に批判していたころ、オウムはまともな宗教だと擁護し麻原彰晃をちょっとした変人くらいで犯罪などとは無縁だとか言っていた知識人もいた。

坂本弁護士を拉致して一家惨殺したのはオウムだろうと予測してよしりんはそれを週刊SPAに書いていた。そしてすでにオウムからの暗殺隊は彼の周囲に迫っていたのだ。

これはFACTを確認して動かないといけないという話が出た流れの中で、FACTを確認してから動いても遅い場合がある、という例としてよしりんが話したエピソードだった。

よしりんはFACTを確認する前に第6感で動いたのだと言っていた。

暗殺しに来ていたオウムの刺客による尾行を逃れるため市場をぐるぐる回ってまいてからタクシーに乗ったりとかなりの緊張状態だったらしい。

結局、坂本弁護士を拉致して殺したことも、サリンをまいて無辜の民を大量殺人したのも、オウム真理教の信者と麻原彰晃がやったことだとすぐに判明してオウム真理教は解散させられ麻原彰晃をはじめとした幹部の信者達は死刑に処せられた。

第6感で動いたよしりんがすべて正しかったのだ。オウムが暗殺しにきていたなどという確たるFACTはなくても直感的に殺しにきていると判断したことも、坂本弁護士一家を殺害したのはオウムだと予想したことも。

正直、第6感で動いたと言われて果たして自分や一般の人にそんなに鋭い第6感があるだろうか？という疑問が真っ先に頭に浮かんでしまった。

確かに何かが起こってしまってから動くのでは遅いし、危険や異変を感じた時点でなんらかの対処をするというのは普通に人間がしていることなのかもしれない。

しかし、現実はどうだろう？1908人が接種後に亡くなっていると言っているにもかかわらず、4回目のワクチン接種をする人もいる。日本以外ではコロナはただの風邪扱いになっているのに日本人の90%以上が屋外でもマスクをビシッと着用している。

ロシアが間違いなく侵略しているのにも関わらずウクライナも悪い、アメリカが裏で関わっていてアメリカも悪い、ウクライナ人はすぐに戦争なんかやめて国外に逃げればいいとか幼稚なことを言い出すタレントもいる。

第6感、動物的な生物としての勘とも言えるようなものを現代人は持っているだろうか。どこかに忘れてきてしまっているのではないか。俺もそうだ、いろいろな情報を自分から取りに行っていなければワクチンも普通に打っていたかもしれない。

現代人は第6感というものを削がれてしまっているのではないだろうか。なぜこうなってしまったのだろう？

世の中が便利になればなるほど人間は退化していくというのは、本当なのかもしれない。都市を作って自然界から離れた人間の住みやすい場所を作った時から生老病死が身の回りから排除され始めた。そのころから人間の動物的な感の退化は始まっていたのだろう。

そしてここ何年かで第6感のようなものはさらに急速に人間から失われていっているのだろう。おそらく、コンピュータの目まぐるしい発展やスマホの爆発的な普及は人間の第6感の劣化に拍車をかけているのは間違いない。前回のブログでも書いたようにスマホによって前頭前野が破壊されているとしたら、人間はそれこそ家畜や獣の脳に近付いているということになる。

思考がロボット的になっている傾向にあると言ってもよいかもしれない。全ての事象が「ああすれば、こうなる」という直線的な思考回路というか、答えは必ずひとつ、みたいな思考の仕方になってしまっている傾向はあると思われる。

獣とロボットが近い存在なのかわからないが、両方とも人間としての大事なものを持っていないことは一致している。

人間を人間らしくさせているのは、人類の脳みその前頭前野の働きで、他の生物とはここが大きく違うらしい。現代の人類の間でその前頭前野に異変が起きている可能性はある。

人間は人間らしさを急速に失っているのかもしれない。