スマホとSNSは人間を不幸にしているかもしれない

スマホを持ったのは普通の人よりも遅い方だと思うが使い始めたら便利すぎてすぐに手放せない状態になってしまった。

持ち始めた頃、俺は記憶力が悪いのでまずリマインダーやメモアプリを使い始めて、どこにいてもすぐにネットにつながる便利さからAmazonで買物してみたり、ゲームアプリも持ちじめの頃はハマったな…時間の無駄過ぎてしばらくしてすぐやめたが。

もともとiPodという音楽再生専用の機種を使っていたこともありスマホはiPhoneにしたのだがiPodの機能はiPhoneにまるごとアプリとして組み込まれていた。音楽を聴きながらネットして買物して、これ便利すぎるだろとは最初から思っていた。

スマホを使えば使うほど学力がおちる?

スマホを使い過ぎた時に人間にどのような影響があるのかということをよく考えてしまう。

便利になって、いつでもどこでもいろいろな情報にアクセスできて効率よく学んで効率よく他者とコミュニケーションがとれるようになったはずなのに、なぜか以前よりも世の中の人に余裕がなくなって殺伐としてきている気がする。

スマホを長い時間使用すればするほど小学生や中学生の学力が落ちていくということが書いてある本を読んで戦慄をおぼえてしまった。

「スマホが学力を破壊する」川島隆太 著から仙台市立中学校に通う2万2390人の生徒のスマホの使用時間と数学テストの点数の関係を示すグラフを以下に掲載する。

このグラフを見ると”全くしない”群が”1時間未満”群より少しだけ点数が下がるがおおむね、使用時間が長いほど点数が悪くなることがわかる。

あまりにも傾向がはっきり出ているグラフなので、ほんとなの?と疑問を持ってしまうのだが著者もこれが、たまたまそうなったのか、違う要因によるのではないか、そもそも成績が悪い生徒が長くスマホを使用するということなのではないか、など様々な角度から検証を重ねている。

検証を重ねるが、やはり見えてくる傾向はスマホを使えば使うほど成績は下がる。使わない人ほど成績が良い、使用を止めると成績が向上する、そういう結果が出てくるのだ。

スマホの使用が前頭前野の働きを抑制し、その機能を弱めてしまう

メディア・マルチタスキングとはテレビやラジオ、パソコン、スマホなど複数のメディア機器を同時に利用することで、テレビを見ながらスマホをするなどの状態を指す。

勉強をしながらスマホをいじると、勉強に集中できずその効果が低減してしまう。本人が集中できていると思っていても結果は違うのだ。

さらに、スマホを直接的にいじっていない状態でも影響は出る。スマホを机の上に置いておいた群と別の部屋に置いて勉強した郡ではスマホを別の部屋に置いた群の方が成績が良いという結果になる。

スマホは遠ざければ遠ざけるほど成績が良くなるのだ。そして筆者は作動記憶という重大な認知能力がメディア・マルチタスキングで低くなることが諸悪の根源に思えてならないと言っている。

さらに、対人コミュニケーションで実際に人と会って話す場合はおおいに前頭前野が働くのだが電話では前頭前野は働かないと言う。テレビ会議でも働かない。現在、在宅勤務が以前よりも定着してZoomでの会議が増えているがリアルのコミュニケーションとは全く異質のものと考えたほうがよさそうだ。

問題なのは前頭前野を使わないコミュニケーションを続けていると前頭前野の働き自体が抑制されること、さらにはその機能が破壊されているのではないかというところまで踏み込んで書かれている。

スマホがそれほどおそろしい影響を人間にあたえている可能性があることを川島隆太氏は指摘している。

SNSは人々の孤独感を深めてしまった

パソコンやスマホのアプリを通じて多くの人と出会い、多くの共感を得られるはずのツールがSNSのはずだった。

SNSによるコミュニケーションは自由度が高く、地位や権力を持たない人間も平等に発言できるので民主主義が促進される、はずだったが。

現在の世界を見てみるとどうなのか。民主主義の繁栄が促進されるどころか独裁国家の数が増加して民主主義国家と対立する構造が出現してしまった。ロシアによるウクライナの侵略はその象徴的なものだ。

心理学者のジーン・トゥウェンギーやキース・キャンベルは若者の行動を調査してナルシズムの伝染病、自分のことばかり気になり、他人はどうでもよくなってしまうこと、それがいかにSNSの普及とともに拡がったかを論じている。

80年代から共感力は落ちていて「共感的配慮」という、辛い思いをしている人に対して共感する能力と「対人関係における感受性」別の人の価値観にのっとりその視点で世の中を見る能力が特に悪化している。

スマホとSNSの組み合わせがこの事態を引き起こしたとは、はっきりとは言えないがそれを示すいくつもの兆候があるそうだ。

おそらく、前頭前野の働きの抑制あるいはその働きの破壊が脳内で起きている可能性が高いことと関連しているのだろうと推測される。

スマホとSNSによって人類は孤独感を深め、対立の構造を作り出してしまっている可能性が高い。

まだ研究段階のことが多く憶測ばかりの文章になってしまった…がSNSとスマホが私たちの人生に負の影響をあたえている可能性が高いことは伝わったかと思う。

運動することで心を良い状態に保てる

スマホやSNSの影響から負のスパイラルにハマって鬱になってしまわないためにはどうすればいいのか?

すごく単純な解決法がアンデシュ・ハンセン著の「スマホ脳」に示されている。

運動をすることだそうだ。汗が出るくらいの運動をすることをおすすめしている。ランニングや歩くことでもよいようだ。運動した後は集中力も上がるという研究結果も紹介されている。

子供達に6分間の簡単なトレーニングをしてもらった後課題をあたえるとそうでない場合よりも結果は向上する。

今の時代、スマホやSNSからフリーになることはなかなか難しい、あまりにも便利で生活の一部に組み込まれてしまっているからだ。

上手く付き合っていくことを考えた時に、運動を取り入れて心のバランスを保つことはとても大事なことなのかもしれない。

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