結局ボリスジョンソンが最先端を行っている

2020年1月にイギリスがEU離脱、ブレグジットしてから2年以上が経過した。

イギリスにおけるインフレや人手不足はEU離脱が原因だと言う人もいるようだがそれはどうだろう。

今現在の状況はコロナ禍(正確にはインフォデミックによるコロナ騒動だと私は思っているが)の影響が大きく反映されていると思われるのでEU離脱が原因と結論づけるのは無理がある。

イギリスは歴史上の早い段階で資本主義経済への流れに入って行った国で、1492年に新大陸を発見して以来その土地からの収奪によって欧米の国々は富を蓄えていく。

スペインとポルトガルは中南米の原住民族を滅ぼしつつ金銀を持ち帰り蓄え、その金銀つまり貨幣によりアジアで生産される陶器 お茶 砂糖 タバコ 香辛料などを購入し輸入していく。

そしてヨーロッパ各国で金銀の争奪戦がはじまり、イギリスは徹底した重商主義政策をとることになる。

重商主義は海賊などに対抗しグローバルな貿易を可能とするために強い軍事力を必要とした。

強い軍事力を確保するためには強力な財政が必要となりイギリスは長期国債を発行し同時にイングランド銀行を整備して国債を引き受けさせ政府の信用を背景に銀行券を発行し金銀に代わって取引に用いることになる。

重商主義の命題は「貨幣こそが富である」というもの。

1776年にイギリスのアダム・スミスが「国富論」を出版しているが、アダム・スミスが重商主義、市場主義でありその延長線上でグローバル経済を正当化している人物であるとする傾向があるようだが「経済学の犯罪」を著した佐伯啓思氏はそのとらえ方は間違いであって、むしろスミスは「労働こそが富である」としていると述べている。

スミスはグローバルな商業網と金融システムに依存する重商主義は不確定性が高く不安定なものだとして警戒し、彼の考える経済の自然な構造として土地に働きかける労働としての「農業」その次に手工業である「製造業」を重視し、それらが発展したその次に「商業」そして国内市場が飽和すれば「貿易」が最後に発展するものと考えた。

そして自由主義擁護論を唱えて政府の意図的な政策をとらずに自由に任せれば自然と上記の「農業」や「製造業」のような身近で安定しているところへの投資をするであろうと予測していた。

しかしこの予測通りにはならず、外国貿易やグローバル金融への投資が結果的には重視されてしまったというのが現実だろう。

人々は自然の秩序よりも私的な欲望を優先させてしまった。

スミスのように公益を重視して一国の富を確かなものの上に築こうとするような崇高な理念は持ち合わせていなかったどころか私欲を暴走させてギャンブルのような投資に傾倒しグローバル経済の波に巻かれていく。

そして産業革命により資本主義はさらに加速、資本家による労働者からの収奪と言ってもよいような状況も生まれた。

時は流れてイギリスのEU加盟は1973年、まだECの名称の頃に加盟、EUはグローバリズムが行き着いた先の文化や経済のボーダーレス化を目指したものと言えるが長い時間が経過するうちに各国間における歪みも増大していった。

そして47年経過してイギリスはブレグジットしてEU脱退、グローバリズム一辺倒の考え方に背を向けることとなった。

スミスの真意を理解しないまま貿易やグローバル金融にひた走った後に、ボリスジョンソンおよびイギリス国民が最初にその間違いに気づいてブレグジットという具体的な行動に移したと見ることもできる。

今後、グローバリズムから脱却する流れは世界中で加速する可能性がある、イギリスはそのトップランナーとして走り始めたのかもしれない。

結局、世界に先がけて資本主義を取り入れてグローバリズムの恩恵を十二分に受け取った国がその弊害が目立つようになってきたら、世界に先がけてさっさと見切りをつけて去っていく形となった。

これを見てズルいと言っても意味はなく、長い目で見た一国の利益を考慮してのことなのだろうからその判断は尊重するしかない。

ボリスジョンソンの驚くべき判断力、行動力はヨーロッパにおいて早い段階でコロナ対策の緩和をしたことにも現れている。

感染者数は日本の2倍以上、死者数は10倍以上いる状態でも2022年1/27に公共施設におけるマスク着用義務もワクチンパスポート提示の対策をとることも一切やめてしまった。

2/24には隔離処置も廃止、4/1には無料の大規模検査も廃止、他のヨーロッパの国々も同様にコロナ対策を緩和していった。

欧米のほとんどの国ではマスクなしで悠々と公共の場を歩いている、日本はこのままマスクマンだらけで大丈夫だろうか?

最近驚かされたのはウクライナを訪問してゼレンスキー大統領とキーウを闊歩している映像をニュースで見たときだ。

この行動は自身の信念のもと危険を顧みない勇気が必要なものだと思う、危険な場所へ乗り込んでゼレンスキーと会談する姿はちょっとカッコいいなと思ってしまった。

ボリスジョンソンから目が離せない。

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